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インタビューinterview

観光地の成長を妨げる複雑で細かい問題を、民間組織としてのフットワークを活かして解決していきたい

株式会社ASOランドオペレーション 代表取締役

森永 光洋

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森永様は㈱リクルート(現ライフスタイル)・南小国町観光協会 事務局長の経歴を持ち、観光事業者を巻き込んでの企画立案・運営を手掛けた経験をされています。その上で、今後の「ASO」をどう活性化していくのかを独自のご意見やご自身の展開について語って頂きました。

株式会社アイキャッチ(以下ア)
森永様(以下森)

個人客にいかに来てもらうのか、他県からどのように人を呼び込むのかが重要な課題

まずは「ASOランドオペレーション」の成り立ちを説明して頂けますか?
観光協会でできない事を、民間でできれば、と思い設立した会社です。常日頃観光にまつわる部分の課題は沢山あると思っており、人材なのか、資金面なのか、観光資源なのか、いくつもの細かい問題が複雑に絡んでそれが積み重なっていて、観光地はなかなか成長しにくい現状があります。株式会社という形でこの問題を解決していきたいと思い立ち上げました。
では、現状阿蘇で活動されている中、直面している問題をお聞かせください。
現状顕在化している問題は、人材不足や、スタッフのスキルレベルの問題や、交通インフラの問題などではないでしょうか。あと最近の話では、「ふっこう割」で予算が割当られても、都会の大きな旅行会社が仲介しているので、結果地方がなかなか潤わないという問題もあるんです。そういった部分をすべて現地で解決し、地域内で対応できたらいいなと思いますね。
地震の後、ふっこう割の効果があったと思いますが、年明けに割引が無くなった際、情勢の変化について考えをお聞かせ願えますか?
今年が「ふっこう割」、去年が「ふるさと割」のように旅行代金が、二年連続で50%引とか70%引とか続いてると、「普通の金額で旅行に行くのがばからしい」と思う風潮が九州内ででてくるのではと案じています。阿蘇や南小国に来られる旅行者の方は、九州の方が七割を占めています。その方が、普通の金額を支払って同等の旅行に行くには抵抗があると思いますし、来年行こうと思ってた人が、今年の需要を先取りしていると考えると、一月からはかなり厳しいと見込んでいます。あと、阿蘇は日帰りで楽しまれる観光客が結構多かったのですが、国道57号線が地震によって通れないので交通面でも厳しい状況にあります。震災や噴火があって、修学旅行などの団体客はこれから2、3年は選ばれにくいという状況なので、個人客にいかに来てもらうのか、他県からどのように人を呼び込むかというのが重要だと思っています。

出来ることを一つ一つ解決したうえで、2020年に向けた新しいことに取り組んでいきたい

ASOランドオペレーションが目指す明確なゴールはありますか?
観光業は力を入れている人にもそうでない人にも同じようにお客様が来られます。それでは先程述べたように、観光地はなかなか成長しません。そうならないためにも、頑張っている人が報われる形を望みます。地域の中で頑張っている人達が表に出て、地元の魅力を発信する。そこに人が来て満足するサービスを提供できれば人が人を呼び、地域の満足度も上がって、阿蘇の観光のすそ野が広がるはずです。それを後押しできる存在になりたいと思っています。
最後に、これからの活動にに関してのお考えを教えて頂けますか?
新しくゼロから創り出すというより、マイナスの状態をゼロに戻すといったところで、今あるものの中で、効率が良くないもの、結果に繋がっていないものを整備したい。国道57号線や、JRが開通してお客様が来られる前に、今のうちに出来ることを一つ一つ解決したうえで、2020年に向けて新しい事に取り組めたらいいなと。足元を固めつつ、外国の方々に向けてもやっていきたいですね。
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