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インタビューinterview

阿蘇内牧でゆったりとした時間を。
まるで実家で過ごすように。

株式会社おしま 阿蘇お野菜CAFÉ おしま屋家具CAFÉ 店主

古田 ゆかり

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“おしま屋”は民芸調の建物が町並に溶け込む雑貨屋。店内には和雑貨や工芸品、ハンドメイドの服飾品などが並びます。その中で、元来の家具店からヘルシーなスムージーの提供など、新たな挑戦もされています。今回はそのきっかけから、今後の展望まで様々な思いを伝えていただきました。

株式会社アイキャッチ(以下ア)
古田様(以下古)

地元の人がふらっと1人で行ける憩いの場所

このお店を始められたきっかけを教えて下さい。
あまり複雑なことを考えて始めたわけじゃないんだけど・・・阿蘇って、自然に囲まれていて、おいしい食べ物がたくさんあるでしょ?その中でも阿蘇にはおいしいお野菜がいっぱいあって、みんなに食べて欲しいと思っているんです。阿蘇は観光客が行くお店はあるので、むしろ地元の人がふらっと1人で行ける憩いの場所を提供できたらいいなっていうのも始めたきっかけかな。
看板メニューの野菜のスムージー、どういった経緯で出来たのですか?
おいしいお野菜をたくさんの人に食べてもらうために、もっとお野菜に詳しくなりたくて、ジュニア野菜ソムリエ※1の資格を取りました。たくさんの人にお野菜を食べて欲しいんだけど、食事での提供ってなかなかハードルが高くて・・・だってみんないろんなところでおいしいものいっぱい食べてるでしょ?だからもっと簡単にお野菜を手軽に楽しんでもらえないかなって考えた時に思いついたの。たくさんの人に知ってもらうために、イベントでいろんな味のスムージーを試してもらう人気投票イベントをしたんです。それがすごく評判が良くって。そのとき人気が高かった商品が今ウチの看板メニューになってるんです。参加してくれたお客様の写真は今でもウチの宝物なんですよ。阿蘇のお野菜を広めていきたいという思いはもちろんだけど、お野菜を作ってる農家さん達と接しているうちに、阿蘇にはまだまだ知られてないけどこだわって作ってる美味しいものがたくさんあるって気付いたんです。天然素材にこだわって作ってるアイスクリームや高校生が作るバナナとか。そういったものを発信していける場所にしていけたらいいなって思ってます。
家具も販売してるんですよね?
そう、もともとは家具店だからね。ふらっと入ったカフェで、ふらっと座った椅子が心地よくて、なんだかすごく充実した気分になる。そんなお店にしたくて。美味しい食べ物と飲み物や、家具や音楽、他愛無いおしゃべりとか・・・この阿蘇で暮らすことがライフスタイルにいいなって思ってくれるお客様を増やしていきたいんです。田舎で不便なことも多いけど、ちょうどいいんですよね(笑)。
インタビュー写真

今は新しいことに挑戦するための準備期間なんです。

熊本地震の後、変わったこと、新しく始めたことはありますか?
阿蘇への大動脈の57号線が通れなくて、通れるのはミルクロードだけでしょ?渋滞はひどいけど、今はまだ来てくれる。だけど冬になったらチェーンが必要になるかもしれないし、遠くから来る人は少なくなると思う。だから地元の人たちに参加してもらうイベントをもっと開催しようと思ってます。手作り石鹸のワークショップとか。観光客が少なくなる時期でも、そうやって地元の人たちで集まっていろんな話をする中で、自分が知らなかった地元の魅力とかを教えてもらったりして、情報収集とかコミュニケーションをとって、また新しいことを始めるきっかけになるといいなって思います。
先日、お邪魔した時に某有名アスリートがいらっしゃってましたよね?
そうそう、いつも来てくれるのよ。この地域って実は、昔からアスリートがトレーニングに来る場所なのよね。標高とか地形とか、詳しいことはあまり分からないけど、特にマラソン、駅伝の選手、チームが毎年合宿に来てくれて、なかにはもうすごく仲の良い友達みたいになっちゃった方もいて。新しいメニューの感想聞かせてくれたりするのよ、たまにはストレートに美味しくないって言われちゃうんです。この付近のみんなは友達みたいになってて、地元のイベントにも来てくれたり。この前はオリンピックの話もいろいろしてくれて、すごく楽しかった。でもこれってじつは結構すごいことなんじゃないかって最近気付いたのよね。チームなんかの団体の誘致とかは継続してやっているんだろうけど、個人に向けての発信って出来てなかった。最近、阿蘇はサイクリングにぴったりの場所としてテレビに出たり、それを目的にくる人も増えた。だからマラソンを趣味にしている人にPRしたら来てくれるんじゃないかと思ってるの。
アスリートにぴったりの場所とスムージーってことですね?
そうね、そんなに高尚なものじゃないけど。温泉とかお肉とか楽しんで、体動かして、スムージー飲んで、ゆったりとした時間をほんと実家みたいに過ごしてほしい。実は自分の中では、今は新しいことに挑戦するための準備期間なんです。このお店を始めて、たくさんの人に出会い、助けられました。仕事の上でのアドバイスを頂いたり、美味しいお野菜を提供して頂いたり。とにかく全ての出会いに感謝しています。今すぐにではないけれど、出会ったみなさんの商品や活動をもっともっと世の中に広めて恩返しをするための力を少しずつ、少しずつ蓄えています。そして、この阿蘇内牧のハブになれるお店、存在に成長していきたいです。
※1
野菜・果物の知識を身につけ、そのおいしさや楽しさを理解し伝えるスペシャリストになるために、日本野菜ソムリエ協会が認定する資格です。
プロフィール用写真

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